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新人看護師の得意・不得意を見つけて、指導に活かす方法

新人看護師への理解

この記事は、新人看護師の教育担当として初めてプリセプターを任された看護師、また教育委員などプリセプターを指導する立場にある方を対象に書いています。

新人看護師教育と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
指導方法でしょうか、技術の教え方でしょうか、それともメンタルサポートでしょうか。

一番基礎となるのは「自分が教育する新人看護師を理解すること」だと私は思います。

これは看護業界で俗にいう、「レディネスに合わせて教える」ということですが、実はそのレディネスをどのように捉えて理解するか、ということは意外と教えてもらえません。

 

今回は新人看護師を正しく捉え、理解する方法として、4つの記事に渡り解説していきます。
4つの記事については、以下のような構成です。

1 看護師教育は、新人看護師に興味を持つところから始めよう

2 新人看護師の教育は近すぎず遠すぎず、良い距離を保つ

3 新人看護師の得意・苦手を見つけて、指導に活かす方法(今回の記事)

4 他人から見た対象の情報を集める

新人看護師の得意・苦手を見つけるが今回のテーマです。

以前の記事では新人看護師をより理解して教育するために、「相手に興味を持つ」ところから対象理解を始め、新人看護師の良き理解者となるための「良い距離の保ち方」を学びました。

人は誰しも、得意なこと、苦手なことがあります。
プリセプターの皆さんにも、ありますよね?

人はそれぞれ違うもの。

頭ではわかっていても、「自分の当たり前は、相手にとっても当たり前である」と誤解してしまいます。

そこで生まれるのが、以下のような言葉です。

「なんでこんなに説明してもわからないの?」

「普通、こんなことしないよね?」

「こんなところでつまづく人、初めてなんだけど?」

人には得意・苦手が必ずあります。
もちろん新人看護師にもそれぞれ得意・苦手があります。

日本は、全ての人が平等に育つよう教育するのが得意です。
ですから、苦手を克服することに重きを置きます。

逆を言えば、得意なことに関してはあまり注目されてきませんでした。
「ここは出来てるから、いいね」で終わりです。

でも教育において重きを置くべきなのは「得意を伸ばすこと」です。
これを伸ばすことで、今後その新人看護師が伸びるのかどうかが決まってきます。

日本人は「悪い事」を指摘するのは上手ですが、「良い事」「優れている事」を捉えるのが苦手です。謙遜し、慎ましいことが美徳とされてきたというのが理由。

 

新人看護師の良いところ探しが出来るようになるには、相手の得意を捉えることが大事です。
これが出来ないと、ポジティブフィードバックが出来ません。

この記事では、新人看護師の「得意・苦手」を見つける方法を解説します。

「得意」を捉えることが出来るようになると、あなたにとっては「何をやらせてもダメ」と思える新人看護師の良いところを探せるようになります。いいところを探せるようになれば、苦手を得意で補うアドバイスが出来るようになります。

是非この記事を読んで、ポジティブフィードバッグが出来る先輩になりましょう。

更に「出来ていないからダメ」「苦手は自分で克服しなさい」と口煩い先輩にならないための、苦手の原因を見つける方法も併せて解説します。

 

ポジティブフィードバックのための「得意」を見つける方法

まず最初に、新人看護師の得意を見つける方法を解説します。

方法1 看護師のスキルを3つに分けて、得意を見つける

方法2 新人看護師の成功例から得意を見つける

方法3 新人看護師の苦手を裏へ返す

それぞれ解説していきます。

 

看護師のスキルを3つに分けて、得意を見つける

人のスキルは3つに分けて考えます。
「運動(技術)スキル」「認知スキル」「態度スキル」の3つです。

人の得意・不得意を考える時は、この3つを軸に考えるとシンプルになるのでお勧めです。

この3つのスキルを、看護師の良くあるスキルについて簡単に分類すると、以下のように分類されます。

<運動(技術)スキル>
・採血・ルート確保、尿カテ挿入などの看護技術・物を準備する、片づける、行動に移す技術・PC入力技術
<認知スキル>
情報収集(会話)スキル・記録を整理して書くスキル・問題や異常を見つけた時に、自分で判断して解決するスキル・手順などを記憶すること、覚えること

 

<態度スキル>
・行動を習慣化すること・感情をコントロールすること

 

例えば「Aさん(新人看護師)は入院取るのが得意だね」と捉えた時、その「得意」に隠されているスキルを3つに分けて考えてみてください。

そうすると「入院を取る」の中でも、Aさんが得意なのは何のスキルなのかがわかってきます。

「入院を取る」という行動の中の一部分だけを切り取るのではなく、より具体的に何のスキルが得意なのかに焦点を当てることによって、次につながる「得意」なことが見えてきます。

記録をまとめるのが得意な人

PCの入力スピードが速い人

点滴確保が得意な人

新人看護師によってそれぞれ、得意なことは違います。

 

得意スキルが見つかれば、苦手スキルを補うことができるので、教育の場面で非常に役立つのがお分かりいただけると思います。

新人看護師の得意をより具体化するために、スキルを3つに分けて捉えてあげましょう。

 

新人看護師の成功例から得意を見つける

新人看護師の仕事の中で「前回は失敗したけど、今回は成功した」という成功例の中に、新人看護師の得意が潜んでいます。

例をいくつかあげてみましょう。

「何回も繰り返してようやく出来るようになった」のであれば、「経験を重ねればできるようになる」ということです。
「A先生の時は緊張してできないけど、B先生は優しいからできる」のであれば、「平常心であれば出来る」ということです。
「前回の失敗を振り返ったら、今回は出来た」のであれば、「前回の振り返りを忠実に落とし込むことが出来る」ということです。

 

新人看護師で最初から完璧に出来る人なんていません。
失敗する、ミスすることは当たり前です。

そんな中で教育者は、「出来た」という成功例を大事にして欲しいと思います。
そして、その成功例を決して見逃さないようにしてください

「今回はたまたま出来た」「次回も同じようにやれるようにしてね」という振り返りでは、何も役に立ちません。

教育者は発想を転換し、「出来た事実」を次回に活かせるように変換してあげてください。

「何故、今回は出来たのか」

「前回と今回とでは、何が違うのか」

「この新人看護師の強みは何なのか」

成功例は、これが必ず潜んでいます。

 

例に挙げた「A先生の時は緊張してできないけど、B先生は優しいからできる」の場合、「B先生の時だけ出来たって駄目なんだよ」と結論付けてしまうと、新人看護師は「A先生の時も同じようにやれって言われたって、そんなの出来ないよ…」となってしまいますよね。

そこで教育者が「平常心でやればできるって言うことだよね」と振り返ってあげれば、新人看護師も「そうか、自分は平常心だとできるんだ」と自分をポジティブに捉えることができます。

成功例を「今回はたまたまできた」と単純に捉えずに、そこに潜む新人看護師の得意を是非見つけてあげてください。

 

新人看護師の苦手を裏へ返す

得意と苦手は表裏一体です。

日本人はネガティブに捉えることが多いので、それを逆手にとって是非ポジティブに言い換える訓練をしてみてください。

 

いつくか例を挙げてみます。

「仕事が遅い」⇔「仕事が丁寧」

「情報収集に時間がかかる」⇔「患者とコミュニケーションを長くとれる」

「何を考えているのかわからない」⇔「冷静に見える」

「なんでも本音で言ってしまう」⇔「素直、裏表がない」

 

最初は多少無理があってもいいので、ポジティブに言い換える訓練をすればだんだんその考え方が身についていきます。

他人の性格は、簡単には変えられないと思ってください。

変えようとしても、大概は無駄な努力で終わってしまいます。
苦手なことは自分自身も自覚しており、「治したいけど治せない」と思っている場合が多いからです。

ですからその苦手を逆手にとって、得意に変換してあげてください。
得意を伸ばす方が、苦手を克服するよりも簡単です。

新人看護師相手に「あなたのここがダメ」と批判するだけの振り返りは、もうやめにしましょう。

「あなたはこのことを不得意と思ってるかもしれないけど、裏を返せばこういうことだよね?」と投げかけて、是非ポジティブフィードバックの達人になってください。

 

新人看護師の「苦手」の原因を見つける方法

後半は、新人看護師の「苦手」の原因を探る方法を解説します。

方法1 看護師のスキルを3つに分類して、苦手を見つける

方法2 新人看護師の失敗例から、何が苦手か具体化する

方法3 新人看護師の得意を裏へ返す

 

※「得意」を見つける方法で紹介した内容と重複する部分は割愛いたしますので、是非前半も読んでから後半「苦手」を見つける方法を読んでくださいね。

 

看護師のスキルを3つに分類して、苦手を見つける

前半のおさらいですが、人のスキルは3つに分けて考えます。
「運動(技術)スキル」「認知スキル」「態度スキル」の3つです。

苦手スキルも、この3つに分けて考えてください。

「あの子は何をやらしてもダメ」という人がいますが、絶対に得意と苦手は存在します。ダメの理由をこの3つのスキルに当てはめれば、どこでつまづいているのかがわかるはずです。

「何をしてもダメ」なんて人はいませんし、全てを一括りにしてしまうと何を改善したらよいのかもわかりません。

苦手なことを改善するためには、原因を追究する必要があります。
この3つのスキルに分けて考える方法を、思い出すようにしてください。

 

新人看護師の失敗例から、何が苦手か具体化する

「いつもは出来ているのに、今回は出来なかったのは何故か?」という、医療安全対策の考え方を応用します。

「今回はたまたま出来なかった」では何の役にも立ちません。
「次回は注意してね」という指摘も、何の役に立ちません。

失敗には、何かしらの理由が必ずあります。
そして、そこに新人看護師の苦手が含まれています。

「早くして」と急かされたから出来なかった。

先輩がイライラしているのがわかって、ついやってしまった。

A先生の時はいつもできない。

新人看護師が出来なかった事実から、何故できなかったのかを具体的にしていきます。

 

苦手を具体的にすると、その人特有の苦手ポイントがわかってきます。

大事なのは、苦手を見つけ出した後「あなたはここが苦手なんだね」で終わってはいけません。

必ずその苦手ポイントを補填するために、その人の得意を活用してあげてください。

新人看護師の苦手は得意で補う。これがとても重要なので忘れないでくださいね。

 

新人看護師の得意を裏へ返す

わざわざ得意の裏を返してまで不得意を探す必要がある人が極まれにいるので、一応紹介しておきます。

基本的に新人看護師は出来ないことが当たり前なので、そういう人に対して敢えて粗探しをするという意味ではないのでご注意ください。

 

自分の苦手を(無意識に)隠している人がいます。
そういう人ほど、2年目以降、大きな壁にぶち当たったり、事故を頻回に起こしたりします。

「あの新人さんは何をやらせても完璧で、スキがないよね」
という新人さんがいたら、注意深く見て苦手を探してあげてください

 

得意の中に、苦手が潜んでいる可能性もあります。

「行動が早い」⇔「仕事が雑」

「報連相が出来る」⇔「自分で判断できない」

「マニュアル通りしっかりやれる」⇔「急なことに対処できない」

 

何度も繰り返しますが、これは「ぱっと見、完璧に見える新人看護師」に潜む苦手を見つける方法ですので、標準的な新人看護師に当てはめると危険です。

 

本当にごく稀にですが、1年目神童のように扱われていた新人看護師が、2年目になり教育指導者の目が離れると、途端に事故を繰り返すようになったという人がいます(私の経験上、4~5年に1人くらいの感覚です)

「あの子は出来るから大丈夫」とスルーされた結果だと、私は思っています。

新人看護師は、どんなに出来ても新人看護師です。
ぱっと見出来ているように見えて、本人は不安でいっぱいです。
そして自分が苦手な部分を、なんとなく自覚しています。

「あなたはこういうところが得意だけど、ここは苦手なんじゃない?」と指摘すると、「そうなんですよ、実は…」と話してくれることが多いです。

 

ほとんどのことを出来ているのに、あえて苦手を指摘するのは難しいことです。

私は苦手を必死に努力して克服する必要性はないと思っています。
なぜなら、苦手はある程度得意で補えばいいからです。

しかし、苦手を苦手であると新人看護師が自覚する必要性はあると思います。
何故なら、教育者から目が離れた2年目以降に壁にぶち当たり、誰もそれを助けてくれないという状況に陥るからです。

何をやらせても完璧に見える新人看護師がいたら、一度この方法を試してみてください。

 

まとめ

今回は、「得意」と「苦手」を見つける方法をご紹介しました。

方法1 看護師のスキルを3つに分けて、得意を見つける

方法2 新人看護師の成功例から得意を見つける

方法3 新人看護師の苦手を裏へ返す

 

方法1 看護師のスキルを3つに分類して、苦手を見つける

方法2 新人看護師の失敗例から、何が苦手か具体化する

方法3 新人看護師の得意を裏へ返す

 

重ねてにはなりますが、大事なのは得意な方です。
教育に携わる者は、新人看護師の得意を見つけて、活用してあげてください。

新人看護師の苦手は、得意で補うことができます。
苦手を克服することばかり目を向けがちですが、大事なのは得意なことを見つけることです。

新人看護師の得意を見つけて、ポジティブフィードバックの達人になってくださいね!

 

このサイトでは、指導者が辛くならないための看護師の育成についてまとめています。

もし指導に関してお悩みがあれば、お問い合わせフォームからご連絡ください。
一緒に楽しく、教育について学びましょう^^

 

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