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新人看護師の教育は近すぎず遠すぎず、良い距離を保つ

新人看護師への理解

この記事は、新人看護師の教育担当として初めてプリセプターを任された看護師、また教育委員などプリセプターを指導する立場にある方を対象に書いています。

新人看護師教育と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
指導方法でしょうか、技術の教え方でしょうか、それともメンタルサポートでしょうか。

一番基礎となるのは「自分が教育する新人看護師を理解すること」だと私は思います。

これは看護業界で俗にいう、「レディネスに合わせて教える」ということですが、実はそのレディネスをどのように捉えて理解するか、ということは意外と教えてもらえません。

 

今回は新人看護師を正しく捉え、理解する方法として、4つの記事に渡り解説していきます。
4つの記事については、以下のような構成です。

始め方1 看護師教育は、新人看護師に興味を持つところから始めよう

始め方2 新人看護師の教育は近すぎず遠すぎず、良い距離を保つ(今回の記事)

始め方3 得意・不得意を捉える

始め方4 他人から見た対象の情報を集める

プリセプターと新人看護師が良い距離を保つが今回のテーマです。

はじめ方1で「新人看護師に興味を持つ」ところから教育対象を捉えることを始めました。

新人看護師と良い距離を保つって、基本でもあり、結構難しい事でもあります。
近すぎてもダメだし、遠すぎてもダメです。
なんだか恋愛みたいですね(笑)

教育において新人看護師との距離を縮めるのは、新人看護師の本音を聞き出すのにとても重要なポイントです。いつまでたっても他人行儀の関係だと、信頼関係を構築することはできません。

しかし、新人看護師との距離が近くなりすぎると「都合のいいプリセプター」になってしまったり、新人看護師に同調しすぎて「怒れないプリセプター」になってしまいます。

プリセプターと新人看護師、この2人の間の適度な距離の保ち方がわかれば、より新人看護師の理解がしやすくなります。

この記事では、新人看護師とのいい距離の保ち方を具体的な方法で解説します。

私は基本的に、プリセプターは「新人看護師の良き理解者」となることが絶対条件だと思っています。良き理解者とは、近すぎず遠すぎず、良い距離感で見守ることが出来るプリセプターです。

この記事を読んで、是非良き理解者になる方法を身に着けてくださいね。

 

良き理解者となる為の「新人看護師との良い距離の保ち方」

この記事では、新人看護師との良い距離の保ち方の具体的な方法を「距離を近づける方法」と「近づきすぎない方法」の二つに分けて解説します。

まずは新人看護師との距離を近づける方法です。

方法1 教育においてコミュニケーションは一番大事

方法2 新人看護師を否定するところから入らない

方法3 新人看護師の出来ていることを認める

 

次に、新人看護師との距離を一定に保ち、近づきすぎない方法です。

方法1 新人看護師を客観的に捉える努力をする

方法2 起こった事実は、事実として伝える

「新人看護師との距離を近づける方法」は3つ

信頼してもらえるプリセプターになるために、どうすれば新人看護師との距離を縮められるのかを知りましょう。

出会って最初はぎこちない二人も、次第に打ち解けていくものです。

しかし、SNSなどを見ていると「プリセプターが嫌い」「プリセプターが怖い」と言っている新人看護師をよく見かけます。

また、プリセプター側からも「新人看護師が何を考えているのかわからない」「新人看護師が出来なさ過ぎて嫌いになりそう」といった意見もあるようです。

互いに距離を縮めようと思っても(特にプリセプター側)、お互いの気持ちがすれ違って「いがみ合う」ことほど悲しいことはありません。

些細なことの積み重ねが、相手との信頼関係を構築するのです。
相手との距離を近づける方法を、3つに分けて解説します。

 

方法1 教育においてコミュニケーションは一番大事

言うまでもないですが、教育においてコミュニケーションは一番大事です。

教育は、1にも100にもコミュニケーション。
新人看護師との微妙な気持ちのすれ違いが、ちょっとずつ不満になっていくことも良くあります。

このコミュニケーションのコツは、長時間でがっつりと、よりも短時間でちょこちょこ話すの方が効果的です。

〇 短時間でちょこちょこ話す

× 長時間でがっつりと話す

長時間でがっつり話した方が距離が縮まると思うかもしれませんが、逆効果となる場合があります。

新人看護師との信頼関係を構築するために大事なのは、「プリセプターに気にしてもらえていると実感してもらうこと」、そして「プリセプターと会話をする時の緊張から解放されること」です。

新人看護師に短時間でちょこちょこ話しかける作戦は、「気にしてもらえている」「見守ってくれている」と実感してもらうためです。そして同時に、二人で会話することが当たり前の状態にもっていくことができます。

逆に長時間でがっつりの会話を習慣化してしまうと、新人が「がっつり会話待ち」状態になってしまう恐れがあり、気軽に声を掛けずらくなってしまいます。

教育上のコミュニケーションで目指すのは、
新人看護師が声を掛けたい時に、気軽に話せる関係性」です。

 

職場には「私に話しかけてくるんじゃねーぞオーラ」を出している先輩看護師がいる職場もあると思いますが、そういう人は論外です。

もう本当に、論外中の論外です。

客観的に見て、話しかけずらい人になってないか、今一度自分を見つめなおしてみましょう。
まずはプリセプター自ら声をかける。見かけたらすかさず声をかける。

最初の頃はどう話しかけたらいいかわからないと思うので、「困っていることはない?」「なんでもいいから、聴きたいと思ったことはない?」と新人看護師の言葉を引き出すきっかけとなるような言葉がけをしてみましょう。

それだけで、新人看護師との距離はぐっと近くなります。

方法2 新人看護師を否定するところから入らない

会話の冒頭、新人看護師に対してダメだしから入るのは絶対ダメです。

それだけで、新人看護師は「やっぱり声を掛けなきゃよかった」と落胆します。
そしてダメ出しをされるのが怖くなり、だんだん声をかけてくれなくなります。

新人看護師の性格や状況によって最初にどんな話から始めるのは様々ですが、毎回否定から入るのはやめましょう。次の段落で具体的に話しますが「出来ているところを認める」から入るのがおすすめです。

ここで注意して欲しいことがあります。
プリセプターとしてはダメ出しじゃないと思っていても、実はダメだしになってしまう言葉があるんです。

それは「優しいダメだし」です。

こんな言葉がけを、皆さんもしていませんか?

「最初から出来ないのは当たり前だから、気にしなくていいよ」

「次頑張れば大丈夫だから」

「もうちょっと勉強しておいてね」

ものによっては肯定的に捉えられる人もいるかもしれませんが、この優しいダメ出しに、新人看護師はちょっとづつ傷ついています。

「じゃあどんな言葉がけをしたらいいかわからないよ!」と迷う人もいるでしょう。

ネガティブなことをフィードバックするのにおすすめなのは、「事実を事実として伝える」ことです。変に気を使ったり、感情的に伝えるのはお勧めできません。

 

教育において、会話は否定から入らないこと。ここではそれだけ覚えておいてください。

次の段落で、ポジティブフィードバックで距離を近づける方法を説明しますね。

方法3 新人看護師の出来ていることを認める

新人看護師が出来ていることは出来ていると認め、ちゃんと言葉にして新人看護師にフィードバックしていきましょう。

新人看護師は常に「何が正しくて、何が正しくないかわからない」状態で毎日を過ごしています。ですから、出来ていないことばかり指摘されると「私は全然できていないんだ…」と落ち込みます。

逆にさりげなく出来ていることを伝える人には、親近感を覚えます。

看護師は向上心が高い人が多いので「出来ていることは当たり前」と思っている人が多く、ついつい指摘ばっかりしてしまいます。

新人看護師は「あなたのやっていることは正しい」と評価してくれる人を、常に求めていると思ってください。

私たち教育指導者は「指摘しない=出来ている」と思って、新人看護師に「出来てるよ」と言うことを忘れがちですが、この些細な「出来てるよ」コールが、教育場面において一番新人看護師に響きます。

いわゆるポジティブフィードバックと呼ばれるものですが、内容は具体的であるほど効果的です。

 

例えば一つの処置の中で、「準備する」「実施する」「片づける」「記録する」の工程に分かれているとします。

新人看護師へフィードバックする時、「この処置は出来るようになったね」だと弱いです。

「準備が抜けなく出来るようになったね」とか「実施する時、〇に気を付けて出来るようになったね」と具体的にフィードバックすると、新人看護師は「ちゃんと出来ていたんだ」と実感します。

とにかく、出来ていることを認めて言葉にするだけで、新人看護師との距離はぐっと近くなります。新人看護師は常に認められたがっています。

教育者として、ぜひそのことを意識して接しましょう。

 


前半までは、教育の場面で新人看護師との距離を近づける方法についてまとめました。

後半は教育指導者がが新人看護師との距離を一定に保ち、近づきすぎない方法を2つ解説します。

 

「新人看護師との距離を一定に保ち、近づきすぎない方法」は2つ

教育対象の相手と近づきすぎると、様々な弊害が起きます。
私も実際に体験しました。

新人看護師と仲良しになるのは、とても良いことです。

しかし、仲が良くなりすぎて客観的にみられなくなったり、悪いところを指摘できなくなると、それは教育指導者としての役割を果たせなくなってしまいます。

家族だと客観的に見られない、ついつい怒ってしまう、みたいな感じです。

新人看護師と一度近くなりすぎるといい距離を保つのは難しくなるので、「肩入れしすぎかな?」「距離が近すぎるかも?」と思ったら、以下2つの方法を試してみてください。

方法1 新人看護師を客観的に捉える努力をする

教育対象に同調しすぎると、客観的に捉えることが難しくなっていきます。

新人看護師と近くなりすぎているなと思ったら、客観的に捉える努力をしてみてください。

 

良い距離感の時は、例え仲が良い間柄でも「出来ている、出来ていない」が適切に判断できるようになります。

しかし、例えば相手が「常に辛くて仕事が出来ないんです」という気持ちに同調しすぎてしまうと、「どうしたらいいのか」が考えられなくなってしまいます。

プリセプター自身も辛いという気持ちになってしまい、客観的に見られなくなるからです。

患者さんへの看護も一緒ですよね。
「治療が辛い」という気持ちに同調しすぎると、看護師としてどう看護するのがこの人にとって良いのか、考えられなくなってしまいます。

それを客観的に捉えるのが、私達看護師という仕事です。

 

新人看護師と同調しすぎて客観的に捉えられなくなってきたら、距離が近すぎるのではないか?と自分を見つめなおしてみてください。

どうしても新人看護師を客観的に捉えるのが難しかったら、他の人も巻き込んで部署全体で解決することも必要になります。

教育は、一人で抱え込んでも良いことは起こりません。

客観的にとらえる視点を、他の人からもらいましょう。
それは決して、教育者として悪いことではありません。

方法2 起こった事実は、事実として伝える

新人看護師との距離が近くて仲良しでも、出来ていないことを伝えなければならない場面が絶対に出てきます。事実は事実として伝えるのが、一番相手も傷つかずに伝えられる方法です。

よく「新人看護師に嫌われたくないから、強く叱ることが出来ない」とか「ダメなことを指摘した後、空気が気まずくてついつい慰めの声をかけてしまう」など、教育指導者が優しすぎて指導に支障をきたす事例を良く聞きます。

新人看護師が正しい指摘を受けず、誤った知識のまま成長してしまうのは良くないことです。
指摘される経験がないまま育ってしまうと、2年目以降、大きな壁にぶち当たってしまいます。

教育者は、心を鬼にして批判しましょう…とは言いません。

正しく指摘する方法、それは事実を事実として伝える、です。

具体的には「出来ていることは出来ている」「出来ていないことは出来ていない」と伝えることです。

教育において、すごく褒めちぎったり、すごく叱ったり、そういうことは必要ありません。

出来てることは「出来てるね」
出来ていないことは「出来ていないね」

それだけでいいんです。

出来ていないことを出来ていないと言ったからといって、新人看護師に嫌われることはありません。

成長するには「現時点でどこまで自分が出来ているのか?」を実感してもらう必要があります。

それが「褒める」「叱る」の指導にすると、「プリセプターに褒められるために頑張る」と目的がすり替わってしまい、あなたの言葉がけひとつで一喜一憂する新人看護師になってしまいます。

新人看護師とプリセプターの距離が近すぎるのも良くありません。

出来ていないことを事実として伝える練習をしましょう。

最初は難しければ、「こう伝えよう」と決めてから話すといいですね。
そこに感情を混ぜないようにすると、なおGOODです。

 

まとめ

この記事では、新人看護師との良い距離の保ち方の具体的な方法を「新人看護師との距離を近づける方法」と「新人看護師と近づきすぎない方法」の二つに分けて解説しました。

<新人看護師との距離を近づける方法>

方法1 教育においてコミュニケーションは一番大事

方法2 新人看護師を否定するところから入らない

方法3 新人看護師の出来ていることを認める

 

<新人看護師との距離を一定に保ち、近づきすぎない方法>

方法1 新人看護師を客観的に捉える努力をする

方法2 起こった事実は、事実として伝える

 

近すぎず、遠すぎず、新人看護師との距離を一定に保つのは難しいです。

しかし、新人看護師を理解して教育に活かすにはこの「一定の距離」を保って教育対象を見守ることがとても大事になります。この記事を参考にして、是非実践してみてくださいね。

 

このサイトでは、指導者が辛くならないための看護師の育成についてまとめています。

もし指導に関してお悩みがあれば、お問い合わせフォームからご連絡ください。
一緒に楽しく、教育について学びましょう^^

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