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プリセプター「手術室の指導計画について教えてください」

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ケース3 手術室看護師プリセプター 「手術室の指導計画について教えてください」

こちらは、「さくらこのお悩み相談室」の投書箱に頂いたご相談です。

たけさんからのお悩み相談

プリセプターとなり、手術室経験なしの指導経験がありません。指導方法をどのようなところから説明していけば良いのかが迷います。チェックリストがあるのみで、年間の計画はざっくりとしたものしかありません。

やはり、年間計画・月間計画などここまでやるといった到達目標を決めていく方が指導していく上でいいのでしょうか?

また、先輩と相談をすると、それぞれの意見がありどうしたら良いかを迷います。
良い方法があれば教えて頂きたいです。

(新人教育者(プリセプター)/看護師8年目/30歳)

さくらこからの回答

さくらこ先輩
さくらこ

手術室の指導計画については、私の職場で行っている実例と、到達すべき目標について記載します。

たけさん、はじめまして。質問ありがとうございます。

手術室の教育プログラムについては、それぞれの病院で独自のプランを作っていることがほとんどだと思います。たけさんの病院ではチェックリストしかないんですね。

たけさんの病院が、単科なのか総合病院なのか、オンコール制なのか日勤のみなのかでも計画が変わってくると思います。

プリセプターとなり、手術室経験なしの指導経験がありません。

この書き方から察するに、おそらく指導の相手は新人看護師ではなく異動者なのかな?と思いますが、新人看護師でも部署異動者でも、指導方法は基本的に変わらないと思います。

ただし、患者を看るというアセスメント能力が異動者の方が培われているので、省略しても良い部分、手術室独特の考え方をしなくてはならず省略してはならない部分があります。

新人看護師であれば、1年間を通してチェックリストにある項目が経験できるよう、症例等を調整し指導していく必要があります。

なお、手術室看護師に関わらず、全ての新人看護師が1年を通して獲得するべき経験項目は、厚労省が出している新人看護職員研修ガイドラインに載ってます。手術室だけでは経験できない項目が多数あり、その場合は病棟研修などを通して経験できるよう病院として調整する必要があります。

 

それでは、月間目標・年間目標をどのように設定していくのかについてです。

おそらくたけさんが言いたいのは、「どの時期にどの症例に入るべきか、独り立ちしていることが求められるのか」を設定する必要があるのか、ということだと私は捉えました(違ってたらすみません)

同時期に入職した看護師が多いと、手術室では「症例の取り合い」になりますよね?
これはある程度仕方がないことです。

私が入職した10年以上前は、単純な症例から複雑な症例へ、が基本でした。
そうすると、どうしても新人同士で単純な症例の取り合いになります。

そこで、外科や婦人科を経験してから、耳鼻科・泌尿器科・眼科・整形外科などにシフトしていく流れを当院では撤廃しました(ただし、入職者が1名の場合はこの限りではありません)

そのため、月間計画で示しているのは、

①受け持ち(外回り)看護師を開始する時期
②症例ローテーション
③受けるべき研修・勉強会の時期
④オンコールを持つ時期

などです。

わかりにくいので、表で示します。

Aさん Bさん Cさん
4~6月(基礎オリ) 外科 婦人科 耳鼻科
7月(外回りオリ) 外回り開始 外回り開始 外回り開始
8~9月 婦人科 耳鼻科 外科
10~12月 耳鼻科 外科 婦人科
1~3月(OCオリ) 未経験症例→3月OC開始 未経験症例→3月OC開始 未経験症例→3月OC開始

※一例として挙げただけで、実際とは異なります。

手術室の目標には「オンコールをいつの時点で持つか」にあると思います。
これは病棟で言う「いつから夜勤が出来るか」に当たります。

1年目の間にどれだけオンコールで入る症例を経験しているかどうかがキーになりますので、通常どの病院でもオンコールを持つ前に独り立ちするべき症例を把握しているかと思います。

例えばアッペやカイザーは定番ですが、整形外科や脳外、心臓血管外科がある病院だと、独り立ちするべき症例は数多くあると思います。

各々の病院によって時期は異なりますが、オンコールを持つ時期から逆算して経験症例を決めるというのもひとつの基準になると思います。

逆にオンコールがない病院、オンコールに入る目安がない病院だと、月間目標を決めるのは現場の症例次第と言うことになります。

月間目標を詰め詰めに設定してしまうと、プリセプターも新人看護師も焦りが生じます。
あくまでも目標は目標だと割り切れれば良いですが、あまりにも無理がある月間目標を作るのはお勧めしません。

ある程度達成可能で、幅を持たせた月間目標が理想です。

また目標は「出来なかった」と言う部分に目が向きがちですが、「出来た」の方を中心に評価してあげてください。

「今月も出来なかったね」だと、達成感を得られないまま翌月に繰り越されてしまいます。
「先月のあれは出来るようになったね」「これは経験できたね」の一言が、意外と重要なんです。

月間目標を作ると、どうしても「それに準じなくては」「この時期までにできていなければ」という拘束感が生じます。それはプリセプターも一緒です。

「目標はこうだけど、大事なのは指導される側の成長スピードに合わせること」というのを忘れないでください。

時として、1年で達成すべき項目を達成できない時もあるでしょう。
それはそれで、いいと思います。
その場合、教育を担当するスタッフみんなで対応策を考え、場合によってはその人独自の教育プランを作ればよいのです。

目標は大事です。とても大事です。

しかしその目標を覆し、新しい目標を作ることもある、ということを覚えておけばそれで良いのです。

 

先輩と相談をすると、それぞれの意見がありどうしたら良いかを迷います。

よしさんの職場では、指導の方向性があまりきっかり決まっていないんだと思います。

きっかり決まっていないということは、自由に計画・修正してよいということです。

もちろん、指導経験が浅いよしさんが1人でそれをする時に迷うのは当然だと思います。

今までどうして来たのか、どうしたら良かったのか、今までのプリセプター経験者のリソースを活用しましょう。

自分はどう指導されたら良かったか・困ったか。思い出してそれを計画に活かしましょう。

 

本来ならば、管理者や教育担当者がそれらを統括して月間・年間目標を作ってくれれば、よしさんのように指導者が困ることはないのですが、それは今後の課題とします(よしさんくらいの中堅層や教育担当者が来年以降、これらを体系化できればとても良いと思います)

 

ひとつ言えるのは、日本全国すべての病院にマッチする手術室看護師の教育プログラムを作るのは難しいということです。症例の傾向や症例数など、どうしても偏りがありますし、教育のバックアップ体制も病院により質の差があります。

 

さくらこ先輩
さくらこ

最後にさくらこ から よし さんへ

この度は、投書箱よりお悩みを送信していただきありがとうございました。

私のこの回答が、よしさんのお悩みへの回答になっているかわかりませんが、もし私がくみ取った質問の意図が違いましたら、また送信してください。お待ちしています。

さくらこ


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