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看護学生「患者さんがため口で話してほしいと言ってくる」

さくらこのお悩み相談室(Q&A)

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ケース12 看護学生「患者さんがため口で話してほしいと言ってくる」

こちらは、お悩み相談室の投書箱に頂いたお悩み相談です。

あいこさんからのお悩み相談

患者さんとの距離感に困っています。

今絶賛実習中なのですが、私は患者さんとは敬語で接することと先生から指導されているので患者さんとお話をさせていただく時はそのようにしているのですが、患者さんはタメ口で話してほしいとおっしゃってきます。
このような場合どうしたらいいのでしょうか。

(学生/学生5年目/10代)

さくらこからの回答

さくらこ先輩
さくらこ

あいこさん、はじめまして。実習では、色んな人が色んなアドバイスや指摘をしてきて、迷うこともありますよね。考えるべきは、「患者の意思を尊重するか、指導者の意見を聞くか」ではなく、「何故この患者さんはため口を聞いて欲しいのか?」という看護的な考え方に持って行けるかどうかだと思います。

あいこさん、お問い合わせありがとうございます。

実習では、というよりも、看護の場面において、絶対的に正しい事は存在しません。

そして、看護師にはそれぞれ大事にしている事や信条が微妙に違っており、Aさんはこういっているのに、Bさんはそれをダメだという、みたいな板挟みになることも多々あります。

今回のお悩みのように、患者さんはため口で話してほしくて、先生は敬語を使いなさいと言う。

そういう板挟みは、就職してからも日常茶飯事の出来事だと思ってください。

まず先に言うと、患者さんに敬語を使うのは基本的姿勢として大事だと私は思っています。

特に認知症患者や高齢者に対して、ため口を平然と使っている看護師をよく見かけますが、とても良くないことだと私は認識しており、何がそうさせてしまうのかなと疑問に思う反面、咄嗟に自分もため口を聞いてしまう場面もあり、そんな時は言った瞬間ハッとします。

 

「〇〇しないでっていったでしょ!!何度言えばわかるの!!」

そんな強い口調で高齢患者を叱責する看護師を見かけたこともあり、私は悲しくなりました。

 

「〇さん、今日はいい感じだね~」

柔和な対応でもため口は出るもので、自分の祖母が入院していた時にこのような対応をされていた時は、違和感を覚えずにはいられませんでした。

 

このように、基本的にため口が出るタイミングは、相手を見下している時や親しみを込めたい時などに出ると思います。

 

では、今回の本題に戻ります。

私は患者さんとは敬語で接することと先生から指導されているので患者さんとお話をさせていただく時はそのようにしているのですが、患者さんはタメ口で話してほしいとおっしゃってきます。

先生が敬語を使いなさい、と指導しているのは、「患者を見下さない基本的な看護師としての態度」「相手を敬う態度」という、社会一般的な常識を身に着けて欲しいという意図があると思います。私が指導者でもそうすると思います。

では、患者さんは何故ため口で話してほしいのでしょうか。

患者さんの年齢層や性別によっても違うと思います。

一般的にため口で話したい状況という事は、親しみやすさや対等関係でありたいということを示しているのではないでしょうか。

年齢が近ければ、そういった関係性を患者が求めるのも私はありえるかなと思います。
同じ10代・20代同士で学生・患者の関係性ならば、「ため口で話してよ」というのは想像がつきます(患者の要望通りにため口で話すかどうかは置いといて)

ただし年齢がかなり離れていて「ため口で話してほしい」という要望は、「患者の心の中に秘められている、何かしらの理由があるのではないだろうか?」と私なら考えます。

例えば、看護学生を孫や娘のように見ている、などは良くあることです。

また、特に高齢者には「若い人と楽しくお話をしたい」「誰でもいいから話がしたい」という人は、一定数いると思ってください。高齢者は本当に話をするのが大好きです。話を聞いてくれる人がいたら、いくら話をしても途切れないという人が男性でも女性でもいます。

会話によるコミュニケーションを強く求める人は、今の若年層に比べて高齢者の方が圧倒的に多い印象です。

そこには普段の生活における「寂しさ」が見え隠れしているのではないかなと、私は思っています。

だからと言って、ため口で話す関係性がいいかと言うと、それはまた別問題です。

敬語で話していても、関係性は作れます。
敬語で話していても、親しみを込めた言い方はいくらでもできます。

それでもため口を強く求めてくる患者さんがいるようなら、理由を聞くのも一つの手です。そこからまた、関係性を作るきっかけになるかもしれません。

 

最後に、これはおせっかいかもしれませんが、妙齢(=若い年頃の)の女性にため口を使ってほしいという壮年~老年期の男性がいたら、「若い女の子とタダでお話しできてラッキー」くらいに思っている人が若干数いるので注意してください。

病院は、キャバクラではありません。

そして連絡先の交換をしたり、今のバイト先や就職予定の病院名を言ったりしてはいけませんよ。手紙を送ってきたり、電話をかけてきたり…。そういうトラブルを回避する処世術も、学生さんには必要です。

さくらこ先輩
さくらこ

最後に、さくらこ から あいこ さんへ

この度は、投書箱よりお悩みを送信していただきありがとうございました。

今回の「敬語とため口」問題に代表されるような、看護をしている上での葛藤は、今後も色んな方面で出てくると思います。いわゆる看護倫理・医療倫理と言われるような分野の話も多いです。

患者の「表面上の」意思を尊重することだけが、看護ではありません。

その人にとって本当はどうすることが適切なのか、どうするのが安楽なのか。
それは人によって様々です。

人を相手にする職業というのは多様性に適応していくという意味で難しく、そしてそれを乗り越えられた時、職業人として喜びと達成感が得られます。

このご時世、実習するのは大変だと思いますが、頑張ってください。

さくらこ


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